読書の秋
「読書の秋」ですね。先日「博士の愛した数式」(新潮文庫)という小説を読みました。
「ぼくの記憶は80分しかもたない」という「博士」の世界に、たどたどしくも、ていねいに近づき、ふれていく家政婦の「私」とその10歳の息子「ルート」の物語です(映画でも話題になりました)。
その人の大切な世界に敬意を抱きつつ、おずおずと、ていねいにふれて行く時、ふれていく人にも、ふれられる人にも、そこに一緒にいる人にも、「何か」が感じられ、「何か」が起こってくるという、ひそやかだけど、とても深く、確かさの感じられるお話でした。
カウンセリングでも、相手の方の「世界」を大切にしつつ、そこにていねいにふれていくことができていると感じられる瞬間があります。そんな時、そこに「何か」が起きてきます。その「何か」をことばにしようとしても、なかなかできにくく、すぐにこぼれて消えてしまう…。この小説にはそんな「何か」が美しく描かれているようでした。
著者の小川洋子さんと臨床心理学者の河合隼雄先生との対話、「生きるとは自分の物語をつくること」(新潮文庫)にもたくさんのはっとさせられることばをみつけました。 (KU)
「ぼくの記憶は80分しかもたない」という「博士」の世界に、たどたどしくも、ていねいに近づき、ふれていく家政婦の「私」とその10歳の息子「ルート」の物語です(映画でも話題になりました)。
その人の大切な世界に敬意を抱きつつ、おずおずと、ていねいにふれて行く時、ふれていく人にも、ふれられる人にも、そこに一緒にいる人にも、「何か」が感じられ、「何か」が起こってくるという、ひそやかだけど、とても深く、確かさの感じられるお話でした。
カウンセリングでも、相手の方の「世界」を大切にしつつ、そこにていねいにふれていくことができていると感じられる瞬間があります。そんな時、そこに「何か」が起きてきます。その「何か」をことばにしようとしても、なかなかできにくく、すぐにこぼれて消えてしまう…。この小説にはそんな「何か」が美しく描かれているようでした。
著者の小川洋子さんと臨床心理学者の河合隼雄先生との対話、「生きるとは自分の物語をつくること」(新潮文庫)にもたくさんのはっとさせられることばをみつけました。 (KU)
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